フルハシの秘訣
スターうなぎは「水」から生まれる
フルハシは浜名湖東岸に池があります。浜名湖は昔、台風により海と繋がり、海水と淡水が混じり合う事で、他にはないミネラルや成分が含まれております。 それも浜名湖の表層の水を取り込むのではなく、さらに地下深くに眠る、何十年かけて地層によって濾された天然水を汲み上げ、使用しております。 水質検査は毎日行っておりますが、同じ地下水でも深さによって塩分濃度等が異なるため、鰻の体調を日々確かめながら使い分けています。
最高の池を作るにはまず土から
池作りで大切な要素の一つは土です。 自然界でも上流が緑深い森林に囲まれていると、川に多量の栄養をもたらすため、流れ着いた河口や海が豊かになります。
それと同じように、鰻の池にも山奥の肥沃な山土をいっぱいに敷き詰めております。
空いた池は毎回綺麗に洗い流し、天日で乾燥させ、清潔を保つ事も忘れません。
人間が食べるご飯よりも何倍もする鰻のご飯
鰻の成長に合わせて餌は変わります。 稚魚であるシラスウナギの時期は生の魚肉に、クジラの主食でもあるオキアミ等を混ぜた最高級の餌を使っております。
鰻がある程度大きくなると、世界中から選りすぐった魚粉にスケソウダラの油と水を混ぜた練り餌を与えます。 実はこの魚粉は、私達が食べる一般的なお米よりも高いお値段です。 また弊社では独自性ときめ細やかな栄養管理のために、成長具合や状態に合わせて隠し味を混ぜております。
最後は愛情
毎日2回餌を与え、池の掃除をし、設備をメンテナンスし、見回りをする。これが養鰻の基本的な1日のサイクルです。 鰻は強くもありますが、デリケートな一面もあります。 ちょっとした気候の変化でさえ、食欲を落としてしまう事も しばしばです。
どんな時でも、母親のようにずっと傍で見守り、愛情を注ぐ事。 これがスターうなぎを育て上げる一番の秘訣ではないでしょうか。
特に現代の養殖スタイルでは、土用の丑の日に向けて、稚魚の池入れから半年程で出荷する池が主流ですが、フルハシでは約1年費やします。 理想の環境に囲まれながら、じっくりと深い愛情を注ぎ続ける事で、ただ柔らかいだけでなく、旨味と身が締まった、食べ応えのある鰻を育て上げる事ができるのです。